pixta_6269191_S.jpg私は、有料老人ホームで看護師をしています。
高齢者の方々が沢山おられる為、ステルベンに立ち会うことも度々あります。
病棟で勤務していた頃は、ステルベンが続くと悲しい気持ちにやりきれず、辛い思いをしました。
今思えば、病院というのは人の命を救う場所、人の命を長らえさせることをゴールにしていますから、やはり死というゴールは悲しいものとして捉えていました。
しかし、有料老人ホームでご利用者様のステルベンに立ち会ううちに違う感情がうまれました。
有料老人ホームで死をむかえられる方というのは、ご家族様よりこれ以上苦しんで欲しくない、自然の流れで死を迎えて欲しいと望まれる場合です。
または、医療を希望されても、病院の判断でこれ以上の治療をすることは不可能、高齢者の看取り入院は出来ないなどの理由で入院を拒否された場合です。
後者の場合も、ご家族様よりそれならば施設で看取りをして欲しいと望まれる場合、施設にて看取ることになります。
そういった場合、ゴールが安らかな最後となるわけですから、それに合わせたケアを私たちは行います。
そして、苦痛を和らげたり、老衰した体でも召し上がっていただけるものを用意したり、脱水の時は体に負担のかからない程度に輸液を行ったりといったケアがメインになります。
そして最後の時を迎える時は、本当に長い人生お疲れ様でした、という気持ちでお看取りします。
ですから、ステルベンが続くことでショックとか悲しみとか、やりきれないという思いはなくなりました。
きっと、病棟ナースをしていた頃の自分は、ステルベンに立ち会う際、自分自身納得のいく関わりが出来ていなかったための後悔などの気持ちも大きく、悲しみという感情があったように思います。
今は、施設という病院とは違う一日の流れの中で、深く関わり、自分の出来る精一杯の看護を行って最後を看取るということから後悔の念はないということが、悲しみではないステルベンの捉え方に変わった理由だと思います。